
八王子市で葬儀の花を整える際は、会場の受け入れ規定と名札、色の基調を先に決めておくと、初めてでも落ち着いて準備が進みます。本稿では、供花・枕花の用途、宗教別の色の目安、会場別の持込み可否や搬入時間、料金の相場までを実務の順に整理。迷ったら白と緑を基本に、必要事項だけ先に確定させましょう。
著者|加藤 信之

多摩福祉葬祭 代表取締役社長
加藤 信之
葬祭ディレクター資格(厚生労働省認定)保有。葬儀業界歴30年。2014年に創業以来、八王子・多摩エリアにて「低価格・高品質」の葬儀を提供し続け、地域住民の信頼を得る。公営斎場へのアクセスに精通し、福祉葬や家族葬、直葬等、幅広い葬儀形式に対応可能。累計葬儀施工件数2000件以上。
葬儀 花の基本と色の考え方
葬儀の花は、故人さまを静かにお送りするための要素であり、会場の空気を整えます。八王子市の斎場(葬儀場)や寺院では、白と緑を基本に、淡い紫・淡い黄・薄桃を少量添えると、厳かさと温かさが両立します。濃い赤や強い原色は控えめにすると全体が落ち着きます。
用途は、供花(祭壇に供える生花)や枕花(通夜前に自宅や安置場所に飾る花)などに分かれ、会場の取り扱いで可否が変わります。名札(贈り主の表示札)の体裁や搬入枠は会場ごとに異なるため、名札の表記と搬入時間の確認を早めに行うと混乱を防げます。
宗教・宗派ごとの色使いの目安
宗教や式の形により、好まれる色と飾り方が少しずつ異なります。迷うときは白基調に淡い差し色で整えれば、多くの場面で受け入れられます。名札や飾り方の作法は会場の決まりに従い、事前に確認しておくと安心です。
| 宗教・形式 | 色の基本 | 配慮の要点 |
|---|---|---|
| 仏式 | 白基調+淡色少量 | 菊・百合・カーネーション中心で落ち着き重視 |
| 神道 | 白基調 | 榊(神前に供える常緑)を用い、左右の均整を重んじる |
| キリスト教 | 白〜淡色 | 菊を避ける傾向。白百合・白ばら等。名札は添え書きの紙の場合あり |
| 無宗教 | 白と緑が基本 | 好みは淡い色で控えめに表現。強い赤や鋭いとげは避ける |
会場別の事前確認一覧
八王子市には公営の八王子市斎場、民営の式場、寺院・地域会館、ご自宅など様々な場所があります。会場ごとに受け入れの決まりが異なるため、持込みの可否や名札規格、搬入時間を先にそろえると迷いません。
- 会場名と宗教形式
- 供花の受け入れ可否と金額の統一
- 名札の書式と並びの考え方
- 搬入・設置の時間帯と入口
- 配置の希望と寸法の制限
- 色や花材の指定(香り控えめ等)
- 供花辞退の有無
- 撤去後の扱い(持ち帰り・後飾り)
| 会場 | 持込み | 名札・配置 | 搬入の留意点 |
|---|---|---|---|
| 市営(八王子市斎場) | 会場規定に従う | 体裁の統一と左右の均整を重視 | 搬入枠の事前確認が安心 |
| 民営ホール | 提携以外の制限や手数料の場合あり | 名札規格・大きさの指定があることあり | 高さ・数量の上限に注意 |
| 寺院・地域会館 | 立て花不可の取り決めがあることあり | 簡素な表記や添え書きの紙の運用あり | 車両規制や境内ルールに配慮 |
| ご自宅 | 自由だが生活動線を優先 | 名札は任意 | 床保護と水漏れ防止を徹底 |
不明点は無理に決めなくて構いません。必要事項が揃っていなくても進められますので、詳細は八王子市斎場へお問い合わせください。
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ふさわしい花材と避けたい花
よく用いる花は、菊(輪菊・小菊)、百合、カーネーション、トルコギキョウ、蘭などです。白を主に、淡い色を少量添えると穏やかな印象になります。特に八王子市の式場では、季節に合わせた白系を中心にすると全体の調和が取りやすく、名札も読みやすくなります。
避けたいのは、強い原色ばかりの配色、とげの強い花(使う場合は完全にとげを取る)、香りが強すぎる花、首から落ちる椿などです。香りが気になるときは、百合を控えめにして菊やトルコギキョウ中心にする方法が有効です。香りやとげの配慮は、参列者の快適さに直結します。
手配の流れと最適なタイミング
理想は通夜の前日まで、遅くとも当日の午前中の手配が目安です。水を含む構造のため、宅配便ではなく現地搬入が基本です。会場の搬入口や設置時間の枠は混み合うことがあるため、早めの予約と情報共有が安全です。
注文時は次の情報を分かる範囲でお伝えください。
- 故人名と喪主名、会場名と日時
- 形式と色味(花籠か立て花、白基調など)と数量
- 名札の表記(個人名・法人名・連名)
- 予算の上限、連絡先、香りや好みの配慮
変更や取り消しは花の仕入れ前が安全です。判断に迷うときは、大枠(会場・日時・予算)を先に確定し、色や本数は後から調整する方法が効率的です。詳細は八王子市斎場までお問い合わせください。
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名札の書き方と配置の考え方
名札は肩書・社名(団体名)・氏名の順が基本です。個人は続柄+氏名、法人は正式名称を用い、連名は三名程度までが読みやすい目安です。表書きは「御供」などとし、香典袋の「御霊前」等は名札には用いません。
配置は祭壇の左右の釣り合いを最優先に、中央近くに近親や上位、外側へ向けて順に整えます。大きさが極端に異なる供花は均整を崩しますので、金額帯や形式をそろえると安心です。
料金の目安と予算の立て方
花の費用は季節と花材で変わりますが、一般的な範囲を知っておくと検討がしやすくなります。八王子市斎場は公営のため、市民の方は火葬料が無料となる取り扱いがあり、全体の費用配分を落ち着いて考えやすいのが特長です。
| 用途 | 一般的な目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 枕花 | 5,000〜15,000円 | 通夜前に自宅や安置先へ |
| 供花(花籠) | 10,000〜30,000円 | 白基調の標準体裁が安心 |
| 立て花 | 16,500〜27,500円 | 高さの上限に注意 |
| 花祭壇 | 内容により幅広い | 白と淡色で落ち着きを表現 |
色で迷ったら「白と緑を基本に淡い一色を少し」。香りが心配なら「百合控えめ」。この二点だけでも十分に礼節が整います。分からない項目は空欄で構いません。まずは一度、八王子市斎場までご連絡ください。
よくある質問
葬儀で無難な花は何ですか
白と緑を基本に、淡い差し色を少量添えるのが無難です。宗教や会場の指定がある場合は、それに従って調整しましょう。
八王子市斎場では濃い赤や強い原色は控えめが安心です。白系+淡色を基調に、香りは強すぎない花材を選んでください。
名札はどう書けばよいですか
肩書・社名・氏名の順が基本。個人は続柄+氏名、法人は正式名称、連名は3名程度までが読みやすい目安です。
表書きは「御供」とし、香典袋の表記は用いません。読みやすさと表記の統一を意識すると、祭壇の並びが整います。
搬入時間はいつまでに確認する?
理想は通夜前日まで、遅くとも当日の午前中に確認を。会場ごとに搬入枠や車両規制があるため事前確認が重要です。
混雑期は枠が早く埋まります。搬入口と時間帯、名札の預かり方法まで合わせて確認すると手配が円滑です。
八王子市斎場での事例
病院での家族葬
八王子市内の総合病院でご逝去された70代の男性は、穏やかで家族思いな方でした。喪主は息子さんお一人で、八王子市斎場で家族葬を実施。病院から斎場へお迎えし、枕花を病院で整えた後、祭壇は白基調でまとめ、名札は続柄+氏名で統一しました。
通夜は省略して告別式のみを執り行い、搬入や配置は斎場の指示に沿って短時間で完了。祭壇の花は白と淡い紫を基調にし、百合は控えめにして菊やトルコギキョウを合わせ、撤去後は家族で一部を後飾りに残しました。
介護施設で行った一日葬
八王子市内の介護施設で静かに亡くなられた90代の女性は、地域で長年ボランティア活動を続けた方でした。喪主は娘さんで、通夜を行わない一日葬を八王子市斎場で実施。施設から斎場へ直接お迎えし、祭壇は白と緑を基調にして簡素に整えました。
親族と近しい友人だけが参列し、供花は控えめに揃え搬入時間は斎場の指定枠で調整。式は午前中に終え、斎場の案内に沿って火葬手続きへ進みました。式後は斎場併設の会食室で親族のみの会食を行い、名札は続柄+氏名で統一し、香りの強い花を避けました。
まとめ
八王子市での葬儀の花選びは、会場ごとの規定と宗教別の色使いを先に確認することが重要です。白と緑を基本に淡色を少量添え、名札の表記、搬入時間、サイズ制限をそろえて手配しましょう。手配は通夜前日までが理想で、予算や香りの配慮も併せて伝えると円滑です。相場と事前確認項目を把握すれば、落ち着いて進められます。
監修者|高橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮
葬儀業界専門の集客支援や人材サービスを手がける株式会社ディライト代表。葬儀・供養分野に特化したWebサービス「葬儀の口コミ」「お墓の口コミ」などを運営し、業界のデジタル化を推進している。
著書『後悔しない葬儀とお墓選び』(クロスメディア・パブリッシング)はAmazon冠婚葬祭部門で1位を獲得。
2025年8月26日にはフジテレビ『サン!シャイン』にてコメンテーターとしてテレビ出演。


