突然の訃報でも、装いが定まれば気持ちは落ち着きます。八王子市の葬儀で男性が選ぶ服装は全国共通で黒の礼服(準喪服)が基本です。立場別の喪服の格、背広・白シャツ・黒ネクタイ・靴の整え方、通夜/告別式/法事と季節の配慮、身だしなみや小物、急な参列時の対応までを、八王子市斎場の運営現場に即して整理しました。よくある質問と事例も添え、初めての方でも失礼のない装いを選べるよう、要点を明確に示します。
著者|加藤 信之

多摩福祉葬祭 代表取締役社長
加藤 信之
葬祭ディレクター資格(厚生労働省認定)保有。葬儀業界歴30年。2014年に創業以来、八王子・多摩エリアにて「低価格・高品質」の葬儀を提供し続け、地域住民の信頼を得る。公営斎場へのアクセスに精通し、福祉葬や家族葬、直葬等、幅広い葬儀形式に対応可能。累計葬儀施工件数2000件以上。
基本は黒の礼服(準喪服)で整える
まずは基本をそろえると安心です。準喪服(一般参列で用いる喪の礼服)は、黒無地で光沢のない背広、白無地の長袖シャツ、黒無地のネクタイ、黒の革靴の組合せを指します。故人さま(お亡くなりになった方)とご家族に敬意を表し、静かな装いで臨みましょう。
- 黒をそろえる:上下は黒無地の礼服。靴下・ベルト・ボタンも黒で統一
- 直前チェック:しわ・ほこりを払い、靴を軽く磨く。装飾は外す
- 代用が必要なとき:通夜のみは濃紺や濃灰の無地でも可。告別式は黒の礼服へ
- 季節の配慮:夏は透けと汗対策の下着、冬は黒の外套を入口で脱ぐ
喪服の種類と立場別の目安
喪服は三つの格に分かれます。喪主(故人側の代表)や近親者、参列者、それぞれの立場で選び方が変わります。通夜(葬儀前夜の儀式)、告別式(最期の別れの式)、法事(命日などの供養)という場面の違いも意識すると迷いが減ります。正喪服・準喪服・略喪服の位置づけを把握しておくと、場にかなった装いを選べます。
| 格 | 目安となる立場 | 装いの例 |
|---|---|---|
| 正喪服 | 喪主・近親者など | 洋装はモーニング、和装は黒の紋付。近年は準喪服を選ぶ場合も多い |
| 準喪服 | 一般参列・多くの場面 | 黒無地の礼服、白無地長袖、黒無地ネクタイ、黒の革靴 |
| 略喪服 | 通夜・三回忌以降・平服指定 | 濃紺や濃灰の無地背広、白無地長袖、黒の靴 |
「平服」は普段着ではありません。略喪服を指すのが一般的です。迷ったら一段控えめを選ぶと、場の和が保てます。
具体的な整え方(背広・白いシャツ・黒いネクタイ・靴)
八王子市 葬儀 男性 服装は、全体を「黒・無地・控えめ」で統一すれば失礼に当たりません。細部でぶれないよう、次の早見を役立ててください。光沢や柄を避けることが基本です。
| 項目 | 基本 | 避けたい例 |
|---|---|---|
| 背広 | 黒無地で光沢なし。シングル・ダブルいずれでも可 | 浅い黒・強い光沢・大きな織柄 |
| シャツ | 白無地の長袖。標準的な襟。下着は白か肌色 | 半袖・色柄物・ボタンダウン |
| ネクタイ | 黒無地。結びは小ぶりに。長さは帯の位置へ | 強い光沢・柄・タイピン |
| 靴・靴下 | 黒のひも靴。靴下は黒無地で長め | ローファー・飾り穴の多い靴・短い靴下 |
| ベルト・小物 | 黒で金具は控えめ。装飾は外す | 大きなバックル・派手な腕時計 |
靴は、ひも通し部分が甲に縫い付いた作り(内羽根)や、つま先に飾りのない形が落ち着いて見えます。シャツは透けを避け、清潔感を大切にしましょう。
通夜・告別式・法事と季節の配慮
同じ黒の装いでも、場面と季節で少しずつ整え方が変わります。体調を守りながら礼を尽くすことが、当日の安心につながります。式場の出入り口で外套や傘の扱いを整えると、周囲への配慮が伝わります。
| 場面 | 服装の目安 | 季節の配慮 |
|---|---|---|
| 通夜 | 略喪服でも可。時間に余裕があれば準喪服 | 雨天は黒無地の傘を用意。入口で水気を払う |
| 告別式 | 参列者は準喪服が基本。喪主・近親者は正喪服または準喪服 | 夏は汗対策の下着と替えの白シャツ。冬は外套を入口で脱ぐ |
| 法事 | 一周忌・三回忌までは準喪服中心。以降は略喪服が増える | 寺院や自宅では靴の脱ぎ履きに備え、長めの黒靴下 |
八王子市は夏の暑さと冬の冷えを感じやすい地域です。移動や待機の時間を見越し、汗拭き用の布や手袋などを無理のない範囲で用意すると安心です。
身だしなみ(髪・爪・ひげ・香り・時計)
服装の格が整っていても、顔まわりと手先の清潔感が欠けると印象がぶれます。髪は眉・耳・襟にかからない長さにまとめ、整髪料は無香料で少量に。爪は短く角をなめらかにして、光らせないのが無難です。ひげは基本は剃るか、普段から整えている方は輪郭をきちんと整えます。
香りは控えめが安心です。香水や強い柔軟剤は避け、前夜は衣類を風通しのよい場所に掛けてにおい移りを抑えましょう。腕時計は小ぶりで目立たないものにし、通知音や点灯は切っておきます。必要最小限にそぐわない装飾は外すのが安全です。
喪服がない・急な参列のとき
突然の通夜でも、落ち着いて整えれば礼は尽くせます。まずは手持ちの濃い無地の背広と白い長袖、黒の無地ネクタイ、黒の靴に近づけることを目指しましょう。八王子市斎場は公営斎場(市が運営する斎場)で、通夜・告別式・火葬まで一か所で進められる構成です。更衣の場所や動線のご案内も可能です。
- 服の代替:通夜は濃紺・濃灰の無地でも可。告別式は黒の礼服へ
- 持ち物:香典・数珠・白か黒の無地ハンカチ・替えの白シャツと黒靴下
- 手配の伝達事項:身長や普段のサイズ、到着時刻、受け渡し方法
- 会場で更衣:控室の可否を事前確認。靴と靴下も黒で統一
少しでも不安があれば、必要に応じて八王子市斎場へご相談ください。更衣や貸衣裳の可否、動線や控室の利用など、当日の流れに沿ってご案内します。
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まずやるべきことを確認する
お一人おひとりの状況に寄り添い、その場でできる最適な整え方をお伝えします。
小物の選び方(数珠・袱紗・ハンカチ・鞄・外套)
小物は装いの仕上げです。色は黒・紺・濃い灰で無地を選び、光沢や大きな金具を避けましょう。扱い方が整うと、所作が静かに見えます。
- 数珠と袱紗:数珠は略式の片手数珠で十分。袱紗は弔事用を用い、受付直前に香典を出す
- ハンカチ:白・黒・灰の無地を二枚。汗用と手指用に分ける
- 鞄:小型で黒無地。中身は最小限。社章や名札は外す
- 外套・傘:外套は入口で脱ぐ。傘は黒や無地の透明で、水気を払ってから入場
香典の表書きは、宗旨が不明なら「御香典」が無難です。紙幣は折り目が表に響かない向きで中袋へ。会場では係員の案内に沿って静かにお進みください。ご不明点は八王子市斎場までご相談ください。
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会場では係員の案内に沿って静かにお進みください。持ち物や席次、動線に迷った際は、八王子市斎場のスタッフへ遠慮なくお声がけください。状況に応じた整え方をご案内します。
よくある質問
急な参列で何を着ればよい?
落ち着いて黒に近い無地の背広と白い長袖シャツ、黒の無地ネクタイ・黒靴を目安に。通夜は濃紺や濃灰でも可です。数珠や袱紗が用意できない場合は、無理に派手な代用品を使わず、受付や係へ申し出れば案内が受けられます。
喪服がないときの対処法
通夜なら濃紺・濃灰の無地背広で代用可。告別式は可能なら黒の礼服に替える。サイズや到着時刻を伝えて貸衣裳を手配する方法もあります。更衣スペースの有無は事前に確認してください。
夏場の服装での注意点
汗対策の下着や替えの白シャツを用意し、シャツは透けない素材を選ぶ。冷房や屋外移動も想定して対策を。汗ジミを防ぐ白/肌色のインナー、タオル、替えの黒靴下があると安心です。
八王子市斎場での事例
病院での家族葬
八王子市内の総合病院で亡くなられた70代の男性の家族葬。故人は地域のサークルで長年活動していた穏やかな人柄で、遺族は親しい親族のみで静かに見送ることを希望されました。病院での搬送手続きを経て、式場は八王子市斎場の小規模ホールを利用。通夜は控室で家族が集まり献杯と短い追悼の言葉を交わし、告別式では読経と献花を終えて火葬場へ移動。短期間で手配しつつも、故人らしい温かな式を実現しました。遺族は式中の写真や音楽で故人の趣味をさりげなく取り入れ、参列者からも温かい言葉が寄せられました。
老人ホームで行った一日葬
介護付き老人ホームで静かに亡くなられた90代の女性の一日葬。生前は地域の学校で教鞭を執り、明るく面倒見の良い性格で親族が多く集まりました。遺族は通夜を省き、八王子市斎場で午前に式、参列者を招いた短時間の読経と献花の後、夕刻に火葬を行う一日葬を選択。施設での安置から式場への搬送、式後の手続きまでスタッフが手配し、遠方からの参列者にも配慮したゆとりある進行となりました。式では故人が好んだ唱歌をBGMに流し、親族のスピーチで思い出を分かち合いました。
まとめ
八王子市での葬儀に参列する男性は、基本的に黒の礼服(準喪服)を中心に、白い長袖シャツや黒いネクタイ・革靴で統一するのが礼儀です。通夜と告別式、法事それぞれで略喪服と正喪服の使い分けや季節対策、身だしなみや小物の配慮を押さえれば、急な参列でも落ち着いて対応できます。会場での更衣や貸衣裳の相談、持ち物や香典の扱いなどの不安は、事前に斎場へ連絡して確認すると安心です。迷ったら一段控えめな装いを選び、地域の気候に合わせて体調管理を優先しましょう。
監修者|高橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮
葬儀業界専門の集客支援や人材サービスを手がける株式会社ディライト代表。葬儀・供養分野に特化したWebサービス「葬儀の口コミ」「お墓の口コミ」などを運営し、業界のデジタル化を推進している。
著書『後悔しない葬儀とお墓選び』(クロスメディア・パブリッシング)はAmazon冠婚葬祭部門で1位を獲得。
2025年8月26日にはフジテレビ『サン!シャイン』にてコメンテーターとしてテレビ出演。


